ヤマガラ特徴と鳴き声、生態

ヤマガラの写真、桜の木にとまっている 留鳥
留鳥野鳥

ヤマガラは、愛らしい姿と賢さで多くの鳥好きから愛される野鳥です。一時期は神社で『おみくじ引き』などの芸を披露していたこともあり、人との深いつながりを持つ珍しい存在です。

ニーニーと鳴くため、近年、2月2日、22日は「ヤマガラの日」として鳥好きたちが盛り上げています。それもあってか知名度が上がりつつある鳥です。

冬、ヤマガラが木にとまっている

ヤマガラの特徴

ヤマガラはシジュウカラ科の鳥で、体長は約14cmほど。主食は昆虫です。例えば、毛虫や甲虫、バッタなどの小さな昆虫を捕まえて食べます。シイやエゴノキなどの木の実も好んで食べます。また、冬になるとひまわりの種を食べる姿をよく見かけます。

英名/学名Varied Tit/Poecile varius
サイズ14cm程度
分布小笠原諸島を除くほぼ全国

和名は「山雀(やますずめ)」です。日本全国に広く分布しており、特に常緑広葉樹林を好むため、暖かい地方の森林でよく見られます。留鳥のため一年を通して観察できます。

その背中は灰色、腹部はオレンジ色、のど元には特徴的な黒い模様があります。さらに、頭部は黒色で、白いラインが入っているのも特徴です。

桜の木にとまっているヤマガラ
背中を見せているヤマガラの写真

伊豆諸島や奄美以南では、さらに色が濃い亜種も見られます。

ヤマガラは常緑広葉樹林を好むため、昔は住宅地や東京23区などの平地にも多く生息していました。しかし、都市開発や森林伐採が進む中、特に里山や低地林が失われたことで大きく数を減らしています。それでも、近年では開発が落ち着き、緑が増えてきた地域もあり、首都圏では回復の兆しが見られるようです。

雌雄を見分けるのは困難

ヤマガラは雌雄で模様や色の違いがないため、判別が困難です。あるヤマガラウォッチャーによると、オスの方が好奇心旺盛で、メスは警戒心が強いそうです。オスが最初に偵察をして、その後にメスを連れてくることが多いのだとか。

観察する機会があれば、ぜひ行動の違いにも注目してみてください。

ヤマガラの鳴き声

2月ごろからさえずりを始めます。カラ類の中では比較的ゆっくりとしたさえずりが特徴です。また、「ニーニー」と鳴く地鳴きが非常に特徴的で、聞き分けやすいです。

地鳴きシーシーシー
ピーピー
ニーニー
さえずりツツピーツツピー

シジュウカラと声が似ていますが、シジュウカラは「ツピツピツピ」、ヤマガラは「ツツピーツツピー」とさえずることが多いです。

地鳴き音声(ニーニー)

※聞こえないときは音量を上げてください

地鳴き「ニーニーニー」は集合の合図

ヤマガラの「ニーニーニー!」は仲間に「集まれ!」と合図を送るときの鳴き声だといわれています。この鳴き声は、「ここに餌があるぞ!」や「天敵がいるからみんなで追い払おう!」といった意味で使われるようです。

実際に筆者がひまわりの種をベランダに並べたところ、ヤマガラが「ニーニー」と鳴きながら集まってきたことがあります。

ヤマガラの生態

ヤマガラは虫のほかに木の実も好んで食べます。また、地面に木の実を隠して蓄える習性があります。どこに埋めたか忘れてしまいそうですが、周囲の環境を目印にして覚えているそうです。

人と共に暮らした鳥

昭和の前半まで、ヤマガラは神社で『おみくじ引き』などの芸を行う鳥として親しまれていました。階段を上り、鈴を鳴らし、おみくじを引く姿は、多くの参拝者を楽しませていたそうです。

もちろん現在では、野鳥保護の観点からこうした芸は行われていません。

筆者が自宅の窓辺に餌を設置して野鳥観察を行った際、ヤマガラは「ニーニーニー!」と鳴きながら、こちらをチラチラ見つつ餌を取っていく様子が観察できました。一方で、シジュウカラは無言で餌を取ると、素早く飛び去っていくのが印象的でした。

繁殖行動とつがいの絆

ヤマガラの繁殖期は春ですが、注目すべきはその生涯を通じて、つがいとして行動するという特徴です。例えば、ある観察事例では、一度つがいとなったペアが10年以上にわたり共に行動し、繁殖期には協力して巣作りや子育てを行っていたことが確認されています。また、片方の個体が危険を察知すると、もう片方がすぐに警戒の鳴き声を発して助け合う姿も報告されています。

私は冬になると鳥の餌場を作って野鳥観察をしているのですが、ヤマガラは一羽が食べているときにもう一羽が鳴いて周囲を警戒している様子をよく見かけます。

(ちなみに、シジュウカラは子育てをした翌年の離婚率が10%程度だそうです。鳥にもさまざまな特徴があり、とても興味深いですね。)

2月2日、22日は「ヤマガラの日」

2月2日や2月22日は「ヤマガラの日」として、鳥好きたちが盛り上げています。野鳥の中でもヤマガラは少しマニアックな存在ですが、年々注目が集まっているようです。

SNSにはヤマガラの写真やイラストが多く投稿される日でもありますので、興味のある方はチェックしてみると面白いかもしれません。